だれかへの手紙

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『舞台 黒子のバスケ THE ENCOUNTER』光と影の最初の話

4/9 13:00

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原作未読、アニメは最初の数話のみという、客の中では少数派と思われる知識で観劇。
とても面白かった。
 
 
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中屋敷さんの演出は初めて観たのだけどおもしろかった!
テニミュのようにコートを舞台上に固定するわけでなく、キャラクターやゴールネットが動き回ることで客席からの視点がカメラワークのように変わる。ペダステのレース演出を思い出した(まったく一緒ではもちろんない)
冒頭で黒子と火神が1on1するシーンはバスケットボールをゴールネットに入れていたので、もしやずっと実物のボールを使い続けるのかと思ったらそんなことはなく。3ポイントシュートを実際に確実に入れることを舞台に求めているわけではないしね。ゴールはポールつきの可動式のものと、吊られている可動式のものと、人が持って動かすもの(4つあったかな)とあって、状況によって使い分けられていた。
試合中、スコアボードが出てくるけど、スコアの数値そのものが重要なわけではない場面では消えてくれるので意識が散らなくてよかった。文字があると注視してしまうから。
 
オープニングでGRANRODEOの『Can Do』が流れるのだけど、曲に合わせて各校キャラクターが出てきて踊ったりちょっとした無声小芝居のようなことをしているのがコミカルかつ元気で勢いもあって、アニメのオープニングを見ている気分と近く、すごくわくわくした。歌が流れているのに舞台上のキャストの口が動いていないのは(歌っているのは音源のキショータニヤマだから当たり前のことなんだけど)舞台やミュージカルでは経験したことのない光景で、不思議な気持ちだった。
何の作品でもそうだけど、キャストが勢揃いして決めポーズをとってくれるのは最高に痺れるし、舞台を観ていてたまらなく好きな瞬間のひとつだ。
 
黒子、アニメに引き続き賢章くん。舞台が本業の人ではないけれどまったく不安なんてないし、過不足ない存在感がある(あんな髪色なのに冒頭の存在感のなさすごい)
火神、アニメ絵の印象より100倍増しにかわいい。技量ある自信家でやんちゃな高校一年生だった。
黄瀬、チャラいけど嫌いにはなれないという加減が絶妙。キャーキャー騒いでるモブの雑具合もよかった。モブ役の人たちみんな同じフードつきのコート着てるから顔は見えないのだけどとにかくキャーキャー言ってて、ペダステの今泉親衛隊が没個性になって人数増えたみたいな感じ。
緑間、なんとなくキャラクターは知っていたけど実在の人間におは朝の占い云々と言われたり真顔でラッキーアイテムを持って出てきたりされると、めちゃくちゃロマンチストだなきみは…という気持ちが強い。シュートの姿勢、美しかったなぁ。
青峰、回想の無邪気さと現代の傲岸不遜な様子のギャップに説得力がある。ほとんど最後の方しか出てこないからもっと見たかった(と思わせてくれるのは上手いからだと思う)
高尾に関してはもう強いとしか…出てきてしばらくはじっと黒子のことを見ていて怖さすらあった。
バスケバカの男の子たちのそばで、女の子たちが華を添えてくれる。ちゃんとバスケに対して役割のあるキャラクターだからストレスがなくてよかった。これは原作キャラクター設定の話だから舞台自体の感想ではないけれど、その部分をきちんと演じてくれていた印象。
 
お話としては、主人公は火神だなぁと思った。良い悪いではなく。原作未読の身にも、話も試合の流れもわかりやすくてよかった。あっという間の2時間25分。
続編があったら(あるよね?)また行きたいので、次はもっと大きな会場でありますように。