だれかへの手紙

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都会の星も星

doughnuts企画 写真展 都会の星
@リコーフォトギャラリー

石井ゆかりさんの十二星座シリーズをとても大切に読んでいるので、そのつながりで知って、行ってきた。

おのれが写りこんでおる。

会場は銀座の真ん中。三愛ドリームセンターの素敵なエレベータ

で9階へ上がり、リコーの歴代デジタルカメラを眺めてから展示のある8階へ。

東山正宜さんが撮影した、都会の夜空に星の軌跡が伸びる写真に、石井ゆかりさんのキャプションが添えられているという、不思議な展示。予想より写真の枚数が多くて、写真とキャプションをいったりきたりで眺めていると一枚の写真の前に留まる時間が長く、一時間くらいかけて見て回った。
添えられた言葉は、写真に写った星や星座について書かれたものもあれば、石井さんが写真から受けたイメージで書かれたものもあるし、都会の星の見つけ方が書かれたもの(何枚かあった)もある。写真の見方なんて習ったことがないけれど、こうやって他人が写真から紡いだ文章を読めるというのは、写真を見ながら石井さんの眼鏡をちょっとだけ借りたような気分で楽しかった。

シャッターを開けっ放しにして星の軌跡を写した写真はこれまでにも見たことがあるけれど、それは大抵、人工の光のない、森のような場所で撮影されたと思われるものばかりだった。
でも今回の展示は「都会の星」で、つまり、星たちの下にあるのは大きな建物や、駅や線路や商業施設。東京タワー、東京駅、みなとみらい、梅田駅、空中庭園、中之島図書館。よく知った、夜でも明るい土地の上にこんなに星が見えるのかと新鮮な気持ちになる。
都会ならではでおもしろかったのが、星以外の光の軌跡も残っているところ。空港付近と思われるあたりには似たような形の光の線が幾重にも輝いている。みなとみらいの観覧車は円盤のように太い光の輪になる。それに対して人間の目は一瞬のものしか認識することができないと思うと、ずいぶんと頼りない。

撮影に使用された現物のカメラも展示されていた。RICOH GR DIGITAL IV。盗難防止のワイヤーががくくりつけられている。
インターバル合成機能というものがついているらしい。ああいう写真はもっと大きくてごっついカメラで撮影するものかと思い込んでいたので、こんなコンパクトカメラで撮影できるのかと驚いた。夜空を撮れる(iPhoneのカメラで唯一不満なのが夜空を撮れないことである)デジタルカメラが欲しくなる。

おまけ。有楽町近くで見かけた。

広島も沖縄もこんなに近くにあったのかあ。