だれかへの手紙

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鳥取・岩美『Free!』聖地巡礼その2 田後

その1 岩美駅、大岩駅、網代

網代と田後の間には山があるので、うねる山道をひたすら上り下りしながら進んでゆく。斜度10%にもなる箇所もあってなかなかハード。
「つけっぱなしだと1時間くらいしかもたない」と言われ温存していたレンタサイクルの電動アシストスイッチをここぞとばかりにオンにして無敵モードで走る。電動アシスト自転車に乗ったのは初めてだったけれど、びっくりするくらいすいすい進んだ。当然のようにシッティングで、平地と同じ調子でこぐだけでいい。何台か車とすれ違ったけど、あの道をママチャリがするっと登っている光景はなかなか愉快に見えるのでは。

少し登って振り返るとこの景色。太陽を浴びて、網代港がきらきらと光っている。
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しばらく山道を登ると視界が拓け、空と海が広く見える。ガードレールのない部分も多いので運転は慎重に。
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沖縄の海と同等の透明度といわれる浦富海岸のこの青さ! Free!の子たちはこんな海と一緒に育ったのかと思うと羨ましくて仕方がない。
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日本海の荒波が岩肌に寄せては白く弾けて散る。いくら見ていても飽きない。
海開きしている夏場は下の砂浜まで降りられそうだった。

城原(しらわら)海岸

山を下っていくと左手に菜種五島が見え、この場所が現れる。
2話、夜に真琴が凛へ電話をかけていた場所。似たような景色が続くので自信がないけど、たぶんここかなと。

「だから、凛も水泳部に入れよ」
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本当は夜に来たかったのだけど、地元の人間でもないのにふらりと行くには、岩美の夜は暗すぎた。道中にいくつか駐車場があったし、車があれば行けるかも。

更に下るといよいよ田後港。
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田後から網代までほとんど山道で3.5kmもあったのか。「小さい頃、よく隣町の漁港へ遊びに行ってた」って距離じゃないよ真琴。

港の前、東屋の脇に自転車をしばし停めさせていただいて、徒歩で散策することに。
目の前を港、背後は山に囲まれた集落。想像していたよりずっとちいさく、子供の足でも隅々まで探検できそうな町。

田後薬師堂

田後内の地図を細かくチェックしていなかったのでさてどうしたものかとふと見上げたら、すぐに目についた、聖地のひとつ。
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9話、遙と真琴がジュースを持って登った道。
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鳥居の手前から港を望む。
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鳥居をくぐって右を向くとこの景色が見える。「俺も、お前たちと泳ぎたい」
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「ハルちゃん、それ本当?」
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作中では遙と真琴が話していた位置と、渚と怜がそれを聞いていた鳥居の位置は少し離れているように見えたけど、実際はすぐそこ、数歩の距離。

この日の田後港は、波が防波堤よりも高く、飛沫が絶えず薬師堂まで飛んでくるほどの荒れっぷりだった。
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海のすぐそばなのだから、波の音がずっと聞こえ続けるというのは至極当然のことなのだけど、ここへ来るまでまったく思い至っていなかった。遙と真琴はこの音を聞きながら育ったんだ。

田後公園展望台

薬師堂の裏手へ回るように続くけもの道を登ると展望台がある。
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更に登るともうひとつ。2話で真琴と渚と江が話していた場所はこちらの展望台。
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「鮫柄って、あの水泳強豪校の?」
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この展望台、岩美観光協会のホームページによると「夕闇迫れば、西に没する落日の景観は筆舌に尽くし難い」とのこと。今回の旅で見そびれたのが心残りなので、次回岩美へ行った際は絶対にここで夕闇を迎えたい。

田後神社

上側の展望台から更に道が伸びていたので進んでみたら、ここへ出た。
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あまり考えずに歩いていたので、いちばん訪れたかった場所が目の前にあるというかまさにその場所に自分がいるのだということに突然気づいて呆然とする感じ。「あっ……あ、ここ、ここってあそこ? あの神社? え、本当? 本当に?」と動揺しつつ、はじめましてとお参りした(写真より右側でお参りできる。9話で鮫柄が必勝祈願していたところ)

神社から、階段を見下ろす。
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小さな集落の、小さな神社からつづく、狭くてそこそこ急な階段。降りたら右手が遙の家。
実際は家はなく、代わりに手水舎がある。

手水舎の前から見える風景。
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完全なる妄想だとわかっていても、左の家の向こう側から階段を降りてくる真琴の姿が見えるようだった。ほんとうに、作品の中で見ていたそのままの場所。

4話、真琴が猫と遊んでいたあたり。
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岩鳶町に猫が多いのは、内海監督いわく「取材した港町に猫が多かった」からだそうで、田後に猫がいっぱいいてくれてありがとうの気持ち。

家から出てきた遙を見上げる真琴の視点。「おはよ、ハル」
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二人の家の位置から下るとここへ出る。1話、何気ないけれど印象的な導入。
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真琴の家から遙の家へ直接行くとここは通らないので、登校しようとした真琴が引き返してきたと考えるのが妥当か。

小走りする真琴を遠くに捉えていたカットのマンホール。さっきの場所から郵便局へ向かうと、郵便局の手前にある。
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このマンホールがとにかく見つけづらくて、民家の間の細い道を友人と不審者のようにうろうろとさまよいながら、静かすぎる集落に響かないように「あった? こっち? あっちかな?」と小声で会話していた。真琴が自宅の窓を開けて「ハルー」って呼べば確実に聞こえるだろうと思える静かさ。

マンホールを探していたら出会った猫たち。
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左上にも黒い子がいた。

集落から下り切ると港へ戻る。よく目立つ駐車禁止の看板は、9話、浴衣を着た怜が待っていた場所。
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この奥へ進むと、渚と真琴がジュースを買いにきた自販機がある。「で? なにかあった?」
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せっかくなので自販機の隣に並ぶなどしてみたけど、自販機サイズの橘真琴でかいわ(再認識)

田後港を左手にして海沿いを東へ進むと、この風景が見える。5話、無人島合宿へ向かうゴローちゃんの船が出た場所。
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奥のオイルタンクは作中の背景にもあった。

ワンピースに鍔の広い帽子というリゾートルックのあまちゃんが現れたエネオス前。
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漁船たち。釣りをしている人もちらほらいた。逆に言うと、釣りをしている人と私たちのような巡礼客の他はほとんど人を見なかった。
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ここから更に東へ、遙と真琴の通学路を進むことに。

その3 浦富海岸